虫歯治療・ホワイトニング

TREATMENT OF TOOTH DECAY / WHITENING

虫歯治療

虫歯治療

患部を約20倍に拡大して見られるマイクロスコープを虫歯治療にも活用しています

虫歯治療でもマイクロスコープを使って虫歯に汚染された組織を丁寧に取り除き、健康な歯を少しでも残していきます。虫歯の再発を予防し、歯を健康なまま保つのに大きく貢献します。また、歯科衛生士もマイクロスコープを使い精密に処置をしています。

どうして虫歯はできるのか

どうして虫歯はできるのか

お口の中にはミュータンス菌とよばれる細菌がひそんでおり、虫歯の原因となっています。ミュータンス菌が増殖しすぎると歯の表面に歯垢またはバイオフィルムとよばれる塊を作って付着します。そして、食べ物や飲み物に含まれる糖分をエサにして酸を出します。これによって歯が溶かされて虫歯とよばれる状態になります。
虫歯は知らず知らずのうちに進行します。はじめは、歯の表面にあるエナメル質という硬い層が溶かされます。その後は象牙質、神経といった歯の内部を破壊し、最終的には歯が崩れてしまいます。痛みを感じたときには、すでに重症化していることもあります。

虫歯は絶対治療すべき?

これまでの虫歯治療は「一度かかってしまうと自然治癒することはない」といわれてきました。現在では歯科治療も進歩し、初期の軽度な虫歯であれば歯を削らなくても適切な処置によって自然に回復するようになってきました。そのため、患者さんの症状によってはなるべく削らず、自然治癒できるか検討する場合もあります。

ごく初期の虫歯が自然に治る仕組み

ごく初期の虫歯が自然に治る仕組み

なぜ、初期の虫歯であれば自然に回復するのでしょうか。
ミュータンス菌が歯を溶かすと、歯では脱灰とよばれる現象が起こります。これは、歯からカルシウムイオンが溶け出している状態で、進行すると歯の表面が白く濁ってきます。
お口の中で循環している唾液には、歯に必要なカルシウムイオンが含まれています。唾液が脱灰している歯を補うことによって再石灰化が起き、エナメル質が再形成されていきます。また、歯科医院でフッ素を歯の表面に塗ると、歯の再石灰化を促進して自然治癒が早くなります。

必ず歯科医師に相談してください必ず歯科医師に相談してください

虫歯が自然治癒するかどうかは、患者さんの年齢やお口の中の状態、生活環境など、さまざまな要因が関係します。そのため、初期の虫歯であっても「必ず自然に改善する」とは限りません。
虫歯は治療をするのが早ければ早いほど、治療回数が少なくなります。しかし、初期の虫歯は自覚症状がほぼないのでご自身では気づかないことがほとんどです。定期的に歯科検診を受けていただくことで、虫歯を早い段階で発見できる可能性があります。「歯に異常がないけれど検診を受けたい」というご相談も受けつけていますので、お気軽にお問い合わせください。

虫歯の段階別治療法

  1. CO(要注意歯)

    CO(要注意歯)

    虫歯にかかったばかりの段階です。エナメル質が脱灰し、歯の表面が白く濁ったような状態になります。
    痛みなどの症状はなく、フッ素塗布などの処置で経過観察になることが多いです。

  2. C1(エナメル質う蝕)

    C1(エナメル質う蝕)

    エナメル質に小さな穴があいている状態で、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。自然治癒は難しいため、虫歯を削り詰める処置をします。治療は1日くらいで終わります。

  3. C2(象牙質う蝕)

    C2(象牙質う蝕)

    エナメル質の下層にある象牙質に虫歯が到達した状態です。冷たいもの、甘いものを食べるとしみるようになります。
    麻酔をしてから虫歯を削り、プラスチックや金属の詰め物をします。虫歯が神経の近くまで侵している場合は、神経を除去することもあります。

  4. C3(神経まで到達したう蝕)

    C3(神経まで到達したう蝕)

    象牙質のさらに奥にある神経部分にまで虫歯が進行している状態です。熱いものでしみるだけでなく、何もしていなくても強い痛みを感じます。
    汚染されている神経を抜き取ってから洗浄する根管治療を行ない、詰め物や被せ物をします。

  5. C4(残根状態)

    C4(残根状態)

    歯のほとんどが崩壊してしまい、歯の根っこだけ残っている状態です。歯の神経が死んでいるので痛みは感じません。しかし、このまま放置すると根っこの先が膿んで激しく痛むため、治療をする必要があります。
    歯を残すのは困難なので抜歯する可能性が高くなります。歯を抜いた後は入れ歯やブリッジ、インプラントから選択して治療します。

子供の虫歯治療

虫歯を作らないために、歯科医院に通う習慣をつけましょう

虫歯を作らないために、歯科医院に通う習慣をつけましょう

お子様の不安を和らげる治療を心がけています

子供にとって虫歯治療は緊張をともないます。もし大きな虫歯となると、患部を削って歯型を取り、さらに被せ物をしなければならず、治療の回数が多くなってしまいます。さらに、どの治療でも麻酔をすることになり、子供にとっては負担が大きくなります。
虫歯の治療となるとストレスを感じる場面がありますが、予防する処置であれば痛みをともなわず、ストレスをあまり感じません。また、小さいときから歯科医院に通う習慣をつけておくと歯への健康意識が高くなります。
当院では、子供が不安な気持ちにならないようやさしく声がけをしながら治療をしています。保護者の方にも治療内容などをお伝えし、親子で歯科医院に親しんでいただけるよう心がけています。

虫歯になってしまったら

虫歯になってしまったら

子供が虫歯になっても「乳歯はいずれ抜けるから、そのままにしても大丈夫」と考える方もいらっしゃいます。しかし、乳歯の虫歯を放置すると、その後に生えてくる永久歯にも虫歯が感染するリスクがあります。生えてきたばかりの永久歯は歯質が弱く、虫歯がうつりやすい状態です。
乳歯であっても、虫歯の治療は将来の健康を考えるうえでとても大切です。子供の虫歯に気づいたら、お早めに歯科医院へお越しください。

子供の歯で気をつけること

子供の歯で気をつけること

乳歯はエナメル質や象牙質といった層が永久歯よりも薄く、歯質も柔らかくなっています。また、神経が入っている歯の内部の空間が広いため、虫歯にかかりやすく進行しやすいという特徴があります。
乳歯はいずれ自然に抜ける歯ではありますが、大きな虫歯を放置したままにすると生え替わった永久歯に悪影響を及ぼすことがあります。
永久歯が生えるまでに口腔機能を発達させるのは、乳歯の役割です。食べる、飲む、話す、かむことなどを通じて、顎骨を丈夫にして脳の発達も促進します。乳歯のうちから、ぜひ歯の健康に気をつけてみてください。

子供の歯の予防

子供の歯の予防

クリーニングやフッ素塗布、歯磨き指導といったさまざまな予防ケアを行なっています。定期的に予防ケアを受けていただき虫歯になるのを防ぐことで、健康なまま永久歯に生え替わります。

クリーニング

クリーニング

歯の状態を診るときには、まず歯の表面についている歯垢を除去します。その後、PMTCとよばれる専門的なクリーニングで歯の表面をきれいに磨きます。ご家庭での歯磨きでは落としきれなかった汚れを除去するだけでなく、研磨して歯垢が付着しにくくします。クリーニング中は痛みがないので、子供でも安心してケアを受けられます。

フッ素塗布

フッ素塗布

フッ素には、初期の虫歯にかかった歯の再石灰化の促進、虫歯の原因菌が出す酸の生成の抑制、歯質の強化、といった効果があります。フッ素を歯の表面に塗布することで少し溶けてしまったエナメル質の自然治癒を助けるだけでなく、歯質を強くして虫歯になりにくくします。乳歯でも永久歯でも生えたてのころはフッ素を取り込みやすいので、こうした時期に塗布するとより効果的です。

子供の歯磨き指導

子供の歯磨き指導

子供の年齢や歯並びに応じて、より適切な歯磨きの仕方を指導しています。子供の場合は歯の本数や乳歯、永久歯など、お口の状態には個人差があります。そのときに合った磨き方をやさしく教え、ご家庭で実践していただきます。保護者の方には仕上げ磨きについても指導しますので、子供と一緒に正しい磨き方を続けていただけます。

正しい歯磨きの仕方

  1. 1.歯ブラシの毛先は、歯面に対して直角に当てます。細かく歯ブラシを動かして1本1本を丁寧に磨きます。
  2. 2.奥歯から磨く順番を決めておくと、磨き忘れがありません。
  3. 3.力を入れすぎると歯肉を傷つけるので、やさしく磨きます。
  4. 4.汚れが溜まりやすい歯と歯肉の境目は、歯ブラシを約30度の角度で下向きにします。毛先を境目にそっと入れるイメージで磨きます。
  5. 5.磨き残しやすい奥歯のかみ合う面、歯間、歯の裏側、歯と歯肉の境目などに注意します。
  6. 6.子供が自分で磨いた後は、保護者の方がチェックして仕上げ磨きをしてあげます。

定期検診

定期検診

虫歯は初期段階だと自覚症状に乏しく、痛みが出たときにはある程度進行していることがあります。
異常がなくても定期的に検診を受けていただくことで、初期の虫歯を発見できます。むし歯が進行する前に適切な処置ができるため、子供本人の負担も軽減します。

ホワイトニング

ホワイトニングとは

ホワイトニングとは

歯の着色を薬剤によって漂白し、輝くような白さにする方法をホワイトニングといいます。
歯が白くなると口元に清潔感が出て、健康的な印象を与えます。また、プライベートや仕事で自信が生まれ、相手と話しているときの笑顔が自然で美しくなります。ホワイトニングはただ歯を白くするだけでなく、内面もポジティブにします。
ホワイトニングの効果は永久に続くものではありませんが、一度白い歯にするとその状態を維持しようとする意識が生まれます。丁寧に歯を磨くようになったり、定期検診を受けるようになったりすると、お口の健康にも良い影響がもたらされます。
当院では、安全に配慮したホワイトニングの薬剤を採用しているので、痛みが心配な方もお気軽にご相談ください。

ホワイトニングの仕組み

ホワイトニングの仕組み

PMTCなどの歯のクリーニングでも歯の着色を落とすことができますが、クリーニングで落とせるのは歯垢や歯石、それにタバコのヤニや飲食物による表面の着色になります。歯の内部に起因する着色は落とせません。
ホワイトニングで使用する薬剤は漂白する効果があり、歯に染み込んでいる着色成分を分解して内側を白くします。
また、ホワイトニングの効果を十分に発揮するため、ホワイトニングを行なう前に歯の表面の汚れを落とすほか、虫歯や歯周病を治療する場合があります。
ホワイトスポットのようなホワイトニングでは対応できない症例もあるため、事前にしっかり診察いたします。

ホワイトニングの種類

当院に通院いただいて行なうレーザーホワイトニング

当院に通院いただいて行なうレーザーホワイトニング

専用のレーザー照射器を用いて行なうホワイトニングです。
ホームホワイトニングよりも濃度の高い薬剤を使うため、早く効果が現れます。1回目のホワイトニングで歯の白さを実感できる場合もあります。また、ホワイトニングの効果を促進するためにレーザーを照射します。一般的には光照射をしますが、レーザー照射を使用することで処置にかかる時間を短縮できます。

ご自宅で行なうホワイトニング(ホームホワイトニング)

ご自宅で行なうホワイトニング(ホームホワイトニング)

患者さんの歯型に合わせて作ったトレーと薬剤をお渡しし、ご自宅で行なっていただくホワイトニングです。
歯科医院で行なうホワイトニングに比べると濃度の低い薬剤になるため、効果が現れるのに時間がかかります。しかし、自分のペースで行なえるため継続しやすく、歯の白さが長期的に持続します。

失活歯のホワイトニング(ウォーキングブリーチ)

失活歯のホワイトニング(ウォーキングブリーチ)

歯の神経を抜いた歯(失活歯)は、色が黒ずむことがあります。変色した歯を内側から漂白して白くするのが、ウォーキングブリーチです。ほかのホワイトニングとの違いは、歯の内部に薬剤を入れる点です。失活歯の詰め物を取り除き、根管治療の際に入った薬を除去して薬剤を入れます。数回の治療で充分に歯が白くなったら、漂白剤を除去して再び詰め物をします。

リスク・副作用

マイクロスコープの使用にともなう一般的なリスク・副作用
  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 精密な治療を行なうための歯科用顕微鏡であり、焦点の合う範囲が狭いため、立体的な観察機器としては必ずしも適しません。治療内容によっては使用しない場合があります。
クリーニング・PMTCにともなう一般的なリスク・副作用
  • 内容によっては保険適用となることもありますが、歯の病気の治療ではないため、基本的には自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
  • 歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
  • 歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1~2日で歯肉は治癒します。
  • 着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。
フッ素塗布にともなう一般的なリスク・副作用
  • 保険診療となるのは、基本的には13歳未満で、虫歯予防の指導を継続的に受けているにもかかわらず虫歯の多い子供に限られます。健康な歯に対する虫歯予防目的で行なう場合は自費診療(保険適用外)となります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 補助的な予防ケアとなり、虫歯にならないわけではありません。あくまでもきちんと歯磨きをしていることが大切です。
  • 効果が永続的ではないので、年に数回フッ素を塗布してもらう必要があります。
  • フッ素塗布を必要以上に繰り返したり、歯科医院でのフッ素塗布のほかにフッ素配合の歯磨き剤などを多用すると、フッ素の過剰摂取になる可能性があります。
シーラントにともなう一般的なリスク・副作用
  • 保険診療となるのは、基本的には6~12歳の子供で、初期の虫歯があると診断された乳歯か、生えたての永久歯に限ります。13歳以上の子供や、健康な歯に対する虫歯予防目的で行なう場合は自費診療(保険適用外)となります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 補助的な予防ケアとなり、虫歯にならないわけではありません。あくまでもきちんと歯磨きをしていることが大切です。
  • 処置後少しずつはがれてくるので、効果は永続的ではありません。はがれてきたら、再度処置してもらう必要があります。
  • シーラントの下で虫歯が進行していることがあり、虫歯の発見が遅れる可能性があるため、継続的な定期検診の受診が必要です。
ホワイトニングにともなう一般的なリスク・副作用
  • 審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ホワイトニングには、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングがあります。
  • 色の白さの度合いには、個人差があります。
  • ホワイトニング後、一定期間、色素の沈着が顕著になるとの報告がされています。
  • ホワイトニング後、24時間は、着色物質(カレー・コーヒー・ワイン・タバコなど)の摂取を控えてください。ホームホワイトニング施術期間中も同様です。
  • ホワイトニング処置中や処置後に、痛みや知覚過敏の症状が生じることがあります。
  • ホワイトニングの薬剤に対してアレルギーのある方は、薬剤で口腔粘膜に異常が起こることがあります。その際は、すぐに使用を中止してください。
  • ホームホワイトニングはご自分で行なうため、どのような仕上がりになるか予想がつきにくく、歯の白さの調整が難しくなります。
  • ホームホワイトニングでの器具の使用方法や薬剤量などが正しく守れているかご自分での判断が難しい場合は、歯科医師または歯科衛生士に相談ください。
  • 詰め物や被せ物が多い方は、ご自分の歯との色の差が目立つようになることがあります。その部分の色をご自分の歯に近づけることは可能ですが、時間と費用が必要です。
  • 入れ歯や差し歯など、人工歯は白くできません。
  • 被せ物を装着している歯は白くできません。
  • 歯にひびが入っていると、薬剤の影響により歯髄にダメージを与えることがあります。
  • 抗生物質の影響により歯の変色が著しい方は、ホワイトニングの効果が出にくい場合があります。
  • 「無カタラーゼ症」の方は、薬剤に含まれる過酸化水素を分解する酵素がないため、ホワイトニングはできません。
  • 薬剤の影響があるため、妊娠中や授乳中の方は控えてください。